TOKYO!

 昨日、仕事の帰りに角川シネマ新宿でついに『TOKYO!』を観た。これは東京を舞台とした3人の監督のオムニバス映画です。この3人っていうのが、とてつもなく豪華!「エターナル・サンシャイン」(この映画は不条理で泣けるラブストーリーです。大好き!)のミシェル・ゴンドリーに、「ポンヌフの恋人」のレオス・カラックス(大好きな監督ってほどじゃないけれど、まあ昔から気にはしている。でもこの監督は誰にも思いつかないような映像をみせてくれますよね。)そして最近何かとこのブログでも言及することが多いポン・ジュノ監督。
 それぞれ東京を主題にしていると言っても、3人とも一筋縄でいかない監督ですからありきたりの東京が舞台という訳にはいきません。私としては東京がどのように3人の目に映るのか、興味ありました。まずミシェル・ゴンドリーの「インテリア・デザイン」は加瀬亮扮する全く売れていない映画監督とその恋人である藤谷文子が上京してきて、伊藤歩扮する友人の狭いアパートに転がり込むお話です。全く世慣れていないちょっとファンタジックな恋人たちがトーキョーに飲み込まれていくところが見ごたえあり。それもありきたりな飲み込まれ方じゃないところが、ミシェル・ゴンドリーっぽく不条理で面白いです。
 レオス・カラックスの「メルド」は、カラックス作品の常連のドゥニ・ラヴァンが怪人と化して東京を徘徊するお話です。「ゴジラの東京」をカラックス風にアレンジするとああなるのかと思いました。ドゥニ・ラヴァンの怪演はお見事!だけれど、「ポンヌフの恋人」のようにパリのホームレスと掃き溜めのお話をあれほど美しく撮れる人がトーキョーだとこれですか?とちょっと悪意というかヨーロッパ至上主義のニオイを感じとってしまうのは深読みしすぎなのか、こちらの過剰反応なのかなあ?
 ポン・ジュノの「シェイキング東京」は香川照之演じる引きこもりのプロ(11年間ひきこもっています。)が蒼井優演じるピザの配達の女の子に恋をしてしまうというストーリーです。とても美しいお話でした。普通の住宅街をあれほど美しく撮れるのはいいなあ。夏の日差しと濃い緑がある種、幻想的で、その中で浮かび上がる蒼井優の姿がとてもかわいい。香川照之のいる家の中との陰影がいいです。だからラストがとても面白い。
 まあ最近の私の好みからいうと、ポン・ジュノ作品をひいきしているような気がしますが、3本とも見ごたえあって面白かったです。最近韓国映画ばっかりだったから、またミシェル・ゴンドリー作品なんかも集中的に見直そうかなと思いました。

 その他、家で最近みた映画は、「純愛譜」「LIES嘘」「誰が俺を狂わせるのか」「バイ・ジュン さらば愛しき人よ」「友引忌」。どれもなかなか見ごたえある映画でしたよ。こうやって並べてみると手当たりしだいみた割にはよいラインナップではないかなあ。