映画は薬?

今日でお盆も終わり。暑いせいなのか、少しまとまった休みのせいなのか、完全におちています。自分でもウツウツしすぎだなとは思っているけれど、何ともならない。本当は、ここで8月初めに行った滋賀旅行(草津に滞在して、大津や彦根信楽などを旅行した。)のことでも書こうと思ったのだけれど、写真もまだデジカメに入ったまんまだし、もう何もかも面倒で嫌になっている。
 こんなんじゃダメだよなあ。しょうがないので録画しておいたドラマでもみようとしたのだけれど、どうも落ち着かない。そうしたら何か映画が急にじっくり観てみたくなった。それでまあ映画館まで行く根性もなく手持ちのDVDプラスレンタルってことで、ほとんどこの3日間、映画観ていました。全部、韓国映画です。久しぶりに観たのは、次の通り。(多分、ネタばれあり。)

 『京義線
 ソウルの地下鉄の運転手の男(キム・ガンウが演じている)と大学の非常勤講師の女(ソン・テヨン演じている、いまやクウォン・サンウの奥さんですよね)が、京義線の最終列車に乗って寝込んでしまい、雪のイムジン河駅に取り残される。実は、男は自分が運転していた列車に飛び込み自殺があり、女は大学教授との不倫旅行に行くつもりが相手の妻にバレてダメになった末に電車に乗ったのだ。二人はが雪道を歩いていくうちに、互いの抱える問題について知るという内容。
 この映画、実は前にちょっとだけ観たことがあったんです。ですから結末は知っていたのですが、あんまり強い盛り上がりがある映画でもないのだけれど、妙に心に残るところがある映画です。多分、イムジン閣にもこの隣の駅であるトラサン駅(韓国人は行けない場所です。すぐそこは北朝鮮ですから。)にも行ったことがあったので親近感がわいているからか、ヒロインがドイツ文学の非常勤講師で教授になれるあてもなく結婚に逃げることもできず、教授との不倫を送りながら非常に行き詰った生活を送っていることに共感しているからか、個人的に惹かれる要素がたくさんあるからなんだろうけれど、それでも主人公二人の抱えた問題にもそこからのささやかな立ち直り方もいいなあと思いました。キム・ガンウは映画では『台風太陽』、ドラマだと『ザ・スリング・ショット』くらいしか観たことなかったけれど、いい俳優だと思う。

 『ホワイト・クリスマス 恋しくて、逢いたくて』
いやあ、これは前にも観たことあったんです。ソン・スンホンキム・ヒソンキム・ヒョンジュの時間を越えたラブ・ファンタジーです。あらすじは特に書く気にはならないし、この映画の中でのキム・ヒョンジュのストーカーまがいの行動と、ソン・スンホンの思い込みの激しさはほとんどおめでたいくらいなんですけれど、でもなぜかこういうの嫌いじゃなかったりして、時々、こういう映画に溺れたくなります。(ハハハ)

 『あいつは格好よかった』
 コノ映画は『オオカミの誘惑』の原作者と同じクィ・ヨニの作品で、当時中学生であった作者のインターネット小説として有名(らしい)です。
 ある女子高の掲示版にそこの生徒をけなす書き込みをした番長(ソン・スンホン演じる)に対して、公然と批判した女子高生(チョン・ダビン)は、相手から「ぶっ殺す」と脅される。彼女は彼から逃げ回っているうちに行き違いから彼とキスをしてしまい、挙句に相手から「結婚しろ、彼女になれ」と脅されるという内容です。ある意味、少女の妄想を全面的に押し出して成功していると感じで、まあこういうのも時には悪くないかも(?)。
 この映画、確かに他愛ないのですが、何だか観ているうちに切なくなってしまいました。チョン・ダビン、もう死んでしまったんですよね。ドラマ『屋根部屋の猫』にしても、この映画にしてもこんなにも溌溂としてかわいらしかったのにねー、そういえば、この前自殺したパク・ヨンハもこの映画の主人公を演じたソン・スンホンと仲が良かったらしいですね。お盆なのでご冥福を祈りたいです。

 『ダメ男の愛し方』
 教職一家に生まれたチャランポランな男(パク・コニョン演じる)が校長だった祖父にクレジット・カードをとめられそうになり、いやいや先生になる。そういういい加減な教員に対して、同僚の女教師(キム・ヒョジン演じる)が業を煮やして再教育しようとするのだが、という内容。
 いやあ筋は、どうでもいいです。『ダンサーの純情』『DMZ』のパク・コニョンの気の抜け方が格好いいです。

 『ミスにんじん』
 話題作だったので、どんな話なのかなあと思っていました。学校で不人気のロシア語の教師(コ・ヒョジン演じる)が恩師で同僚の国語の教師(イ・ジョンヒョク演じる)に恋愛感情を持って、思い込みのまま突っ走っていく内容。国語の教師で学校で仲間はずれになっている娘(ソウ演じる)と共同戦線を組んで、他の女性教師との不倫を阻止しようとしたり、文化祭に出演するハメになったり(何と出し物は『ゴドーを待ちながら』!)、滅茶苦茶なドラマです。
 ロシア語が不人気なあまり、コ・ヒョジンは中学の英語の教員にまわされて、仕方なく英会話教室に通ったりするんだけれど、何とその英会話の教師はポン・ジュノ監督だったりします。(パク・チャヌク監督も出ているらしいんだけれど、私はわからなかった。)コ・ヒョジンは俳優として本当に幅広い役できるんだなあと感心した。こういう映画もあっていいよねという映画だった。

 『甘いウソ』
 高校時代に好きだった男性(イ・ギウ演じる)の車にぶつかってしまい、とっさに女(パク・チニ)は記憶喪失のフリをして、彼の家に入り込んでしまう。やがて彼女の居所をつきとめ迎えにきた幼馴染の男(チョ・ハンソン演じる)も巻き込んで、女はウソをつき続け、しかも初恋を成就させることができるのかというような内容。
 コノ映画も実はマカオに行くとき観ていて、途中で終わってしまったのでまあ結末だけでも見ておきたいって感じの映画でした。結末知ってホッとした。
 
 『純情漫画』
 市役所に勤める公務員(ユ・ジテ演じる)と同じマンションに住む女子校生(イ・ヨニ演じる)とのほんわかした恋愛とその市役所に公益勤務員として勤める若い男(カンイン演じる)と恋人と別れた大人の女性(チェ・ジョンアン演じる)という二組の恋愛模様を描いたマンガが原作(らしい)映画です。
 ユ・ジテは結構好きな俳優で、多分映画出演作ほとんど観ている(『ナチュラル・シティ』だけは観ていない。)んだけれど、うーん、女子高生との恋愛はちょっとでした、やっぱり。いやあ社会的には12歳差なんてよくあるんだろうけれどね。でもチェ・ジョンアン演じるどこか悲しい女性っていうのが良かったです。映画の中の風景とマッチしていて、美しい。元々、チェ・ジョンアンきれいで好きですしね。全体的にはとてもきれいで丁寧な映像に惹かれました。また韓国に行って色々写真とりたいなあなんて思える映画でした。

 『恋する婚活プランナー』
 抜群の成婚率を誇る結婚相談所所員(シン・ウンギョン)は自分の恋には全く不器用である。ある日、その結婚相談所一の問題会員(チョン・ジュノ)の結婚の世話をすることになるのだが、というラブ・コメの王道みたいな内容。ただ、コノ役を『SSU』や『花嫁はギャングスター』などの姉御肌っぽいシン・ウンギョンがやっているのが面白いのかもな。個人的にはドラマ『彼らが生きる世界』のキム・ヨジン(『イ・サン』の王妃も演じている。)が出てきていてよかったかな。

とまあ、こんな感じのラインナップ。肩がこらない作品が多く、映画でリハビリしたって感じした。さて、これからホン・サンスの映画を観てみようかなあ。