パイレーツ・オブ・カリビアン

 四月から勤務形態がかわった。「忙しい」と書きたくなくてここまでひっぱってきたけれど、とにかく忙しい。一日何をしていたのかわからないうちに終わるし、もちろん仕事は恒常的に終わらない。まあそれなりに毎日充実しているし、楽しい。めまぐるしく目先がかわっていくのは飽きなくてよい。ほんの時たま「とはいえ暮らしの中で今動き出そうとしている歯車のひとつにならなくてはなぁ」って感じの気持ちになるけれど、今まであまりに非現実的に怠惰に過ごしてきたのでこれくらいの義務は社会人として果たす必要があるのかも。
 そうはいっても趣味生活はかなり制限されてしまった。家の中にこれから読もうと思っている本、CD、DVDが山と積まれているのを見るにつけ、ため息が出る。通勤時間や暇な時間をみてなるべく片付けようと思っているのだけれど、なかなかうまくいかない。それより時間に制約が発生する映画館にはほとんど行けなくなってしまった。4月から映画館でみた映画は「クイーン」「バベル」「ハンニバル・ライジング」「ブラッド・ダイヤモンド」「ダーウィンの悪夢」「ザメッティ」のみ。(これでもゴールデン・ウィークがあったから多いほうか・・・)そして今日やっと一ヶ月以上ぶりに映画館に行くことが出来た。観たのは話題の「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールズ・エンド」。シリーズ最終作だが、まあシリーズの中では一番面白かった。いつもながら海賊に関する伝説や言い伝えの切り貼りには少しうんざりするんだけれど、まあでも今回は時代設定はともかく海賊ってものが法や秩序の世界化によって消えていく悲哀がそこはかとなく描かれているのが良かった。