国立博物館というところ 

職場で東京国立博物館のマーオリ展のチケットをもらったので、国立博物館に行った。といっても「マーオリ展」はこの前「悠久の美 中国国家博物館名品展」のときもみているので、二度目。今年になってから国立博物館は何度か行っていて、本館や東洋館もじっくりみている。本当に行けば行くほどよいところといいますか、自分の性にあっているところだなって思う。
ここ何度かいった中で一番好きなのは法隆寺宝物館である。(今日は閉館してたけれど。)まず建物がすばらしい。博物館としてより建築物として気に入っている。外は静かで今は梅が咲いている。ここは気分が落ち着く。内部にはほとんど人がいない。しかも宝物を護るためか照明が極端に落とされている。この雰囲気が最高だ。そして陳列されている中に鋺があるんだけれど、これがすごいのだ。ただの丸い鋺。他意はないただの鋺である。仏具なのだろうけれど祈りとかそういう思念さえ恣意的に感じられるほど他意がない。芸術作品とは対極的なところに存在している作品。強いて言えばそういうものが職人の作品なんだろう。しかしそれにしても他意のない作品の美しさってこういうものなのかと生まれてはじめて悟った。
まあこんなに気に入っている場所なんですけれど、猪瀬直樹がどっかの番組で六本木の新国立美術館のことを税金の無駄遣いだっていっていたけれど、確かにそういう観点からみればこの宝物館もかなり無駄遣いくさいです。でもこの場所とても気に入っているんだよなあ。