日展

今日は親につきあって上野の都美術館へ日展を観にいった。日展は我が家では恒例行事なので、特に感慨はない。毎年、似たり寄ったりの絵を見続けるのはすこーしだけ退屈だが、逆に一年に一回のことなのでれはそれで楽しかったりする。昔の日展にはもっと異世界に行けるような楽しさがあったのだけれど、こちらも歳をとってしまってそれなりにスれてしまったのだろう。でも日本画はよくみると意欲作が多いと思うし(洋画はちょっと古臭いような気がする。)、やはりこれから特選ねらうような人たちの絵は丁寧で野心的だと思う。そういう絵をみると素人ながらこちらも嬉しい。今回感じたのは、執拗さっていうのが絵には必要だってことかな。アイディアとかテーマとかがどんなに良くても斬新でも丁寧に執拗に描かれたものにはかなわないとえらそうに思ってしまった。昔は、アイディアが斬新な絵の方に惹かれていたのにな。
日展のあと、親が行きたいというのでベルギー王立美術館展を再び観た。ここでも感じたのは執拗さだった。この前来たときは感じなかったけど、日展の後で見てみると、ベルギー王立美術館展に飾ってあった絵の執拗さに気が遠くなりそうだった。昔の絵画は工房スタイルだった時期もあるので確かに多くの人の手が入ったせいもあると思うんだけれど・・・。
でも帰宅途中、私も絵画の執拗さを評価して、だんだん保守的なものが好みになって、落ち着いていって老人になっていくのかもしれないとも思った。帰宅してから家族で夕飯を外食したのだけれど、食事中、私がどうでもいい昔の出来事をかなり細かく覚えていることが問題になった。確かに昔話がきちんとできるようになっちゃあ、人生おしまいですね。
この日までにみた家で観た映画は、「ランド・オブ・プレンティ」と「ロッキー・ホラー・ショー」「ランド・オブ・プレンティ」は9.11以降の政治メッセージが直截的でこれどう評価するかで映画の評価は変わってくるかもしれない。街のとり方なんかはヴィム・ヴェンダースは巨匠だけれど、音楽の入り方とかテーマとかセリフとかダサい時あるような気がする。今の映画もヒロインのストーリーはどうかなって感じなんだけれど、ヒロインの叔父さんのストーリーは結構いい。まあアンバランスな出来が魅力といえば魅力でしょうか?「ロッキー・ホラー・ショー」は相当に面白かった。別に「ランド・オブ・プレンティ」と無理に比べる類の映画じゃないんだけれど、メッセージが直截的でないほうが考えさせられたりする。娯楽や笑いの中にこそ先鋭的なものがあったりする。そういう意味では「ロッキー・ホラー・ショー」はもう古典だなあと思った。