映画「モンドヴィーノ」

 この夏はせっかくDVDを手に入れたのに全く映画を観なかった。これからはどんどん観ようと思い、何本かレンタルしてきたのだが、今日は「モンドヴィーノ」を観ることにした。ワイン業界に関するドキュメンタリー映画なんだけれど、ワイン業界に携わる人々の証言のみでつくられている何とも地味な映画だった。(そしてやたら長い。)ワイン業界のことを知らないので、途中何度も止めては見直したけれど、結構面白かった。ワインという優雅な飲み物をめぐる生き馬の目を抜く世界が展開されているんだなってことが実感できます。特にヨーロッパのワインの貴族制度みたいなものを均質なアメリカの大衆文化が圧倒していくというとらえ方は、まさに現代社会の構図そのもので面白いです。ある一定の水準であるが無個性のワインを量産することに意義があるか、水準にばらつきがあっても個性的なワインを飲むことに喜びを感じるかっていうのは、確かに悩むところだね。飲みやすいワインがいいワインじゃないってことはわかっているけれど、普段の生活の中ではついつい飲みやすいワインを飲んでしまうし・・・。でも心に残る(というか舌に残る)ワインっていうのは、そういうものじゃないし・・・。そうはいっても、こちらも昔の貴族みたいにワイン通になれるほど手間隙かけて教育されているわけじゃないし・・・。ワインは私にとっては唯一おいしく感じられる酒なんで映画観て悩んでしまいました。でもこの映画、劇場公開で観なくてよかったかもな。