復活できるといいなあ

 今日、今学期の仕事、終わった!(思ったよりあっさり成績処理できたな。)このブログも約一ヶ月ぶり。一ヶ月前か、あの頃はまだよかったな。この一ヶ月、本当に思いもかけないことの連続だった。新居を探して引越しの準備、立ち退きの諸々の処理、これだけても十分ややこしいのに、私にとっては日ごろあるかないかわからないような薄い人間関係のゴタゴタがこの時とばかりに発生するし、それ以外にもある種の決断も迫られた。もうこうなると何をするにも気力が湧かない。十年に一度くらいの無気力モード。そんな間に世の中ではワールドカップは終わっちゃうし、イタリアは優勝するし(応援していたけれど、まさか優勝するとは思っていなかったよ。あまりに劇的な展開でした!)、中田は引退しちゃうし、ジダンは退場しちゃった。それにテポドンは発射され、勤め先の周りはガイセン車で埋まってた。もう書いていたらキリがないのでやめるけれど、とにかくこんな日々も今日で終わりだ!(と思いたい。)でもこうやって書くとちょっと悲惨だな。
 大体、この一ヶ月、映画を一本も観ていない。CDはボックス買いしたけれど、少ししか聞いていない。本もねー、雑誌「ナンバー」と『オシムの言葉』(例の川淵の失言の翌日に買って読んだよ。)を中心に展開していたが、さすがにこれではいけないと思って、最近、読書生活は少しずつ復旧している。一番読んでいるのは、パトリシア・ハイスミス。『リプリー』が有名だけれど、『見知らぬ乗客』(交換殺人の古典)と『妻を殺したかった男』とかよみごたえありますね。彼女の作品は単にサスペンス作品っていうより、キャラクターが非常にユニークで、型どおりでないタイプを作者が創造できている。また随所に作者の人間観察の確かさや皮肉な視点が感じられる。作品の中に同性愛への言及が強いと思うけれど、それがまた作品の緊張感を高めているとも思う。ミステリーといえば、例の早川書房の異色短編シリーズでスタンリイ・エリンの『特別料理』を読んだ。ミステリーには読んでいなくても誰もが中身を知っている作品というのがあるけれど、この作品もそれだ。長年、どんな作品なんだろうと思っていたけれど、やっぱり面白い。なんといってもテーマが衝撃。スティーブン・キングの短編「マンハッタンの綺譚クラブ」(キングの作品では一番好きかもなあ。)にちょっと似た味わいの作品だと思う。
 あとこの1ヶ月間は無気力だったわりには美術館や博物館には行ったかもしれない。東京ジャーミー(渋谷にあるイスラム・モスクです。)と国立博物館伊藤若冲展は職場関係で行った。特に若冲展は、特別内見会だったので、ゆっくりとゆったりと観られて最高だった。屏風をガラス越しでなくて、しかも一日の光のうつりかわりが体感できるような照明で観られるのが良かった。あと、イタリア文化会館でやっていたミンモ・イヨーディチェの写真展と明治大学の博物館。特に明治大学博物館は授業で使えるかなと思っていってみた。考古学関連の展示は学生を意識した展示カードがあってなかなかよかったと思う。でも刑法関連の展示はどうかな?「鉄の処女」をはじめてみたよ・・・。