『エマ』は終わっていた

 今日、友人と南大沢でお昼食べた。出来たばかりの自然食バイキングの「はーべすと」という店。立川にも店があって、そこも行ったことあるのだけれど、和食の家庭料理が中心のバイキングなので胃に負担がかからず、いつもいっぱいおいしく食べられる。豆のマリネとかはいずれは家でつくってみようかなと思う。ただデザートでとうもろこしのぜりーだと信じてせっせと食べたゼリーが実はワインゼリーだったみたいで、真昼間から酔っ払ってふらふらしてしてしまった!
 友人とはいろいろ話したけれど、途中で「エマ終わっちゃったね。」という何気ない一言に本当に驚いた!7巻で終わり?あれで終わっちゃうの?「THE ENDで書いてあったでしょ?」ってさんざん言われたけれど、これからエマのレディ修業やらジョーンズ家の人々との屈折したつきあいとかキャンベル家との確執がドロドロ展開するのを覚悟していたし、今回、アメリカまで話が広がっていたのでアメリカに駆け落ちとかハキムも巻き込んで「80日間世界一周」っていうのもひょっとしてアリ?とか勝手に頭の中で話が展開していて、最低20巻は続くと思い込んでいたので、にわかには信じられなかった!自分のイマジネーションの広がり(単なる妄想?)が恐ろしい。

 家に帰ってきてから、ビデオを二本みた。一本は、「みんなのいえ」。三谷幸喜の作品で、三谷幸喜が実際に自分の家を作ったときの体験が元になっている内容らしい。実際に緑山スタジオに一軒家をたてて話題になっていた。うーん、まあ結構面白かった。田中邦衛の昔かたぎの大工と唐沢寿明のモダンなインテリアデザイナーの対決というありきたりの構図が、実は手作りの良さを大切にする似た者同士だったという風に展開していくあたりは面白いし、三谷幸喜がこの作品において田中邦衛という役者に敬意を払っているってことはよくわかるんだけれど、いつもの群集劇のドタバタした感じのほうが正直いうと好き。

もう一本は、レオス・カラックスの『ボーイ・ミーツ・ガール』。カラックス作品ははじめてみたけれど、この作品はかなり面白い。全編モノクロで、映像はいたるところで工夫されている。ゴダール風な実験に満ちている。セリフがしゃれている。話はアレックスとひねた少年がミレイユという女の子にあるパーティーで出会う。ただそれだけ。でも本当にこの作品が面白いところは、ほとんど詩の技法でつくられているところかな。だから厳密にいえば、この作品は映画じゃないような気がする。でもここまで詩として映画をつくれるっていうのは、カラックスという人は真の天才なんだろう。大体、本当に詩を書ける人間だってそうそういないのにね。世界には、それを映像に転用できる人間がいるんだね。フランス映画はやっぱりすごい。ただそういうことを評価する自分という人間はちょっと嫌いだなとふと思った。