「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」

 今日は、昨日、雪でみられなかった映画を観に南大沢に行く。グウィネス・パルトロー主演の「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」。これが思ったよりよい映画だった。若い頃は天才数学者で、晩年に精神障害に悩んだ父親(アンソニー・ホプキンス)が亡くなり、その父親を世話した数学の研究をしていた娘(グウィネス・パルトロー)のところへ父親の弟子だった男(ジェイク・ギレンホール)がやってくる。二人は親しくなるのだけれど、父親の机の中から遺品のノートがみつかる。そこには数学のすごい発見が記されていた!グウィネスはそれを発見したのは自分だというのだけれど、果たして真実は?という感じの話だった。映像がとくにいいわけでもなかったし、ストーリーも実はそんなにすっきりとしていないのだけれど、キャラクターが実によく書けていたし、セリフのやりとりがよかった。特に父親の天才をついだ数学の才能をもち、父親と同じようにいつかは狂うのではないかと思う恐れをいだき、そして父親を失い情緒不安定に陥る不器用な娘というグウィネスのキャラクターはなかなかよかった。グウィネス・パルトローはそんなに好きな女優ってわけでもないのだけれど、去年みた「シルヴィア」といい、本作といい、狂気と正気の間みたいな部分をなかなか幻想的に演じているなあ。それにこの作品ではそういうグウィネスを気遣う姉・クレアのキャラもなかなかよい。妹を思っているのだけれど、その表し方がややもすると独善的で俗物であるがゆえに妹とわかりあえない。このお姉さんを単に悪役にしなかったことで劇をみるようなよさが映画に生まれたと思う。