映画 『モナリザ・スマイル』

 
 今日は一日中、ちょっと外出した以外は、ずっと家にいたので、DVDで映画を観た。まずは『モナリザ・スマイル』。ジュリア・ロバーツ主演で、キルスティン・ダンストジュリア・スタイルズマギー・ギレンホールなどが出演している。内容は1950年代にウェルズリー女子大という保守的なお嬢様大学に進歩的な美術史の女性講師が赴任してきて、周囲の無理解に傷つき悩みながらも女子大生を大きく感化していくっていうもの。「いまを生きる」の女子大生版という感じの映画だった。(「いまを生きる」よりは感動ないかな。)
 主演のジュリア・ロバーツは1950年代の女性には全く見えなかったけれど、女子大生役のキルスティン・ダンストジュリア・スタイルズマギー・ギレンホールはなかなかよかった。それぞれ個性が出ていたと思う。何かに傷つきながらも前向きって感じはよく出ていた。ただね、1950年代のアメリカをモチーフにした映画っていうのはねー。なんというか、そこそこ「絵になる」っていうことが欠点だ。たとえばこの前観た「シルヴィア」なんかは全く同じ時代取り扱っていたし、シルヴィア・プラスもスミス・カレッジで教えていたので、映画にもそういうシーン出てきたけれど、それに比べると、やっぱりこの映画は粗いなあと思った。(「シルヴィア」はとてもよかった。伝記映画としても、映画のモチーフも結構、好きだ。)

 もう一本観た映画は、『インソムニア』。ストーリーは、白夜の小さな街で女子高生が殺され、アル・パチーノが捜査に来るという、出だしはなんだかツインピークス。その街での捜査中に、アル・パチーノは証拠捏造したことを警察の内務機関に話そうとした同僚を撃ってしまう。それが故意だったのか事故だったのかは微妙なところなんだけれど、殺人犯人のロビン・ウィリアムスはその出来事を目撃してアル・パチーノに取引を要求した。という訳で、アル・パチーノロビン・ウィリアムスのダークぶりが目立つ映画だった。正義の名のもとに行われる犯罪というか、人間の持つグレー・ゾーンを描こうとしているのはよくわかった。モチーフとしてはそういうのは結構よい。ただあまりにその問題に真正面からぶつかっているので、サスペンス映画としては少し「ダサい」かなと思った。