映画「スクラップ・ヘブン」

 家で映画「スクラップ・ヘブン」を観た。「69」の李相日監督の作品。でもこの作品は「69」とは全く違う感じの映画だった。正直いうと、ストーリーとかセリフとかにはあまり惹かれなかった。ごく普通の反社会分子がテーマの映画って感じした。(実際、「ごく普通の反社会分子」がごく普通にいたら怖いけどね。)でも主人公の3人の役者、オダギリ・ジョー、加瀬亮栗山千明のキャラクターがなかなかよくて最後まで観れた。特に加瀬亮の役がいい。使命感に燃える警官が無力感に襲われてしだいに反社会分子になるけれど、それにもなりきれないっていう雰囲気がいい。映画の中で何回もボコボコにされているのは演技とはいえ哀れをさそった。とにかく三人の役者のこれからが「旬」っていう感じが漂っていて、それが不思議とこの映画に活力を与えているのかなと思った。

 今日は、この他にももう一本、篠原哲雄監督作品の「深呼吸の必要」も観た。沖縄でさとうきび刈のバイトに来た若者たちのお話。破調がないところはちょっと物足りない気もするけれど、さわやかに一時を楽しめる作品。観た後でとても気持ちがよくなれる映画だった。篠原作品を観るのは「月とキャベツ」以来だけれど、この監督のファンタジックなつくりは結構好き。ただこの作品のいかにも「癒される」って感じのつくりには「ちょっと・・・」だったりもした。