映画「ゆれる」

 今日はとっても気分がよい。昨日、久しぶりに頭の中の霧が晴れた!重石がとれると、こんなに人間って自由になれるんだーっと実感。で、気分よく今日は新宿でお買い物。CDはタワレコサマソニで聞いたLOSTPROPHETSのLIBERATUON TRANSMISSIONと、あとはMUMのSUMMER MAKE GOODを買った。MUMサマソニ出てないんですけれど、サマソニに出ていたMUM DJ SETと勘違いされていて、ちょっとかわいそうな感じ。本当、MUMが出ていたらどんなによかったか!EBERG聴いてから、アイスランドエレクトロニカはを今更ながら聴くようになりました。やっぱいいですねえ。その後、ジュンク堂でカントを買う。最近、読書生活なかったけれど、急に思い立ってなぜかカントが読みたくなってしまった。「判断力批判」だけ読んでいないので挑戦しみようかな。
 そしてその後に、前からチケットだけは手に入れておいた「ゆれる」を新宿武蔵野館で観ました。映画は、実家のガソリンスタンドを継いだ兄(香川照之)と東京で写真家として成功している弟(オダギリジョー)についての物語でした。何もかも対照的な兄弟はお互いの存在にどこか憧れや嫉妬と引け目のようなものを感じながら生きている。けれど彼らはずっとそれを押し隠してきて、一応お互いを尊重して仲良くしている。しかし、ある日、兄弟と幼馴染の女の子の3人でつり橋に行った日に、女の子が兄の眼の前でつり橋から転落した事件をきっかけにして、その隠されてきた思いが少しずつ露呈されていきます。死んだ女の子は弟の昔の彼女で、現在は兄のガソリンスタンドで働いていて、兄は彼女が好きだったのです。弟も兄の気持ちを知っていながら、帰省したときに軽い気持ちで彼女と寝てしまったりする。そういう兄弟の緊迫した関係が爆発したのがつり橋の事件だったわけです。果たして兄は彼女を殺したのか、それとも事故だったのか。弟は何を目撃したのか。裁判でどのような証言をするのか?
 「兄弟という他人」がテーマの重い話だけれど、兄弟の感情を抑えている場面とその感情を爆発させる山場とがうまく緩急ついている見ごたえある映画でした。つり橋の事件が契機でありながら、その真相を解き明かすことが目的でないような気がしました。真相は最後まで何度も何度も変わり、永遠に解釈され続けることによって変わっていきます。これがかの有名な「羅生門」のようで、非常に面白かったです。途中、もうちょっと話の展開に工夫があったほうがよかったのではないかと思うことがあったし、弟のキャラクターが後半ちょっと焦点がぼやけてくるところなんかあったのですが、それでも兄弟役の香川照之オダギリジョーの演技がみごたえあったし、テーマがありきたりのようでいてありきたりでなくきっちりと細やかに描かれていたので、最後まで退屈せずに観ることができました。