映画『理想の女』

 昨日、シネスイッチ銀座で『理想の女』を観た。原作はオスカー・ワイルドの『ウィンダミア卿夫人の扇』だが、映画では1930年代のアマルフィの外国人の社交界に舞台をうつしかえてた。貞淑な若妻であるスカーレット・ヨハンソンが夫と悪名高い女性ヘレン・ハントとの不倫を疑って苦しむが、そこには彼女には知らない事実があった・・・という内容。まあ、ストーリーはわりと単純で、原作を知らなくてもヒロインが知らない事実っていうのは明白です。話の展開も文芸映画特有の格調高さみたいなものはあるんだけれど、特に特別な出来事があるわけでない。でも文芸映画としては、お約束の出来だったので、結構満足した。特に1930年代のアマルフィなんて舞台として出来すぎていて、それだけでかなり嬉しい。映画の最後のクレジットをチェックしていたら、アマルフィだけでなくローマでも撮影していたらしい。特に映画の中のオペラシーンはローマのアルテンプス美術館を使ったらしいですね。そういうことが一番気に入った。それとあとヘレン・ハントは思った以上にうまかったと思う。「全ての女の敵」みたいな役だけれど、結構深みがある役だったと思うし、声がすごい気に入った。

 最近はずっと風邪をこじらせていて(何か、今年は風邪ばっかりひいている。)ほとんど家でも映画をみていなかったのだけれど、この間、DVDを二本観た。「Jam Films2」と「Jam FilmsS」どちらも短編映画集みたいな映画。どれも設定や映像が凝っていて、短編でも力作が多い。割と荒唐無稽な設定がどの作品にもあってお気に入りのシリーズである。体調がよくないときでも一作一作区切って観られたのがよかった。

 読書は「パサージュ論」があと一息というところ。もういい加減に終わらせたいな。