全部 映画『甘い生活』だった

 ここ二、三日、目のまわりが痛くて、どうしたのだろうと思っていた。何というか打ち身のときのような痛さ。大体、目のまわりだけが打ち身のように痛いってどういうことなんだと、そのシチュエーションばかりが気になっていた。(寝ているとき、壁か枕に目をぶつけたっていうのしか思い浮かばなかったけれど・・・。)でも今日になって、わかった。ものもらいだった。ただものもらいになるのが、小学校低学年以来なかったので、わりと珍しくて、しばし見入ってしまった。

 最近、気になっていたことといえば、ある映画のシーンが断片的に浮かんできていて、「この映画はなんだったのだろう?」と考えていた。そのシーンとは・・・・
1、 ある貴族(金持ち?)の館での怠惰なパーティー、薄気味悪い城館とそこの館の人々が退屈そうにふらふらしていたのが印象的だった。
2、 業界人らしき人々が海辺のモダンな家に集う怠惰なパーティー、馬鹿騒ぎしつつも、これもまた退屈そうだったのが印象的だった。
3、 海の家のシーン、作家志望らしき男が海の家で執筆らしきものをしようとしていて、そこの家の娘にラジオの音を小さくしてくれるように頼むシーン。

 3つのシーンは全部ばらばらな作品だと信じていたが、今日、たまたまDVDをあさっていたら全部、フェリーニの『甘い生活』のシーンだと気づいた。『甘い生活』っていうと、アニタ・エクバーグトレヴィの泉にとびこんじゃうシーンとか、パパラッチとか、できたてのローマ郊外の団地群とか、マルチェロ・マストロヤンニの親友の衝撃的な最後とかそんなことしか頭に残っていなかったはずなんだけれど、なんで急にぞろぞろと忘れていたはずのシーンが記憶にのぼってきたんだろう?記憶のメカニズムって恐ろしい。しかもいまだに納得できないのは、私はカラーでシーンを記憶していたのに、『甘い生活』はモノクロなのだ。いつ色がついたんだろう?


 今日は、夕方から町田に買い物に行く用事があったので、久しぶりに町田のブックオフに寄ってみた。ここはとにかく大きいし、新しい本が売りに出されているのが魅力。

トーマス・ブルスィヒ『太陽通り』(映画『ゾンネンアレー』の原作。コメディ映画だけれど、最近の「ベルリンの壁」もの映画としては、映画『グッバイ・レーニン』とならんで傑作だと思う。)

スタニスワフ・レム『高い城・文学エッセイ』(先々週くらいに書評にとりあげられたばかりなのにもう売りにだされていた。結構、感激した。映画『ソラリス』の原作者。)

プイグ 『赤い唇』(映画『蜘蛛女のキス』の原作者。)